中原淳一の幸せな食卓―昭和を彩る料理と歳時記
| 今の時代だからこそ必要 |
書かれている内容はどれも手間がかかることが多いですが、
今だからこそ中原さんの書いたものは見直すべきことが多いと思います。
| 昔はこんなに暖かい時代だったんですね |
昭和25年当時の文章もそのままに、中原淳一さんの美学がこれでもかと溢れる本。単なる料理本ではなく、美しく気品に満ちた豊かな暮らし方を中原さん特有の優しい文章で綴られていて心が和みます。大好きな台所に立ち、大切な人のために料理を作る時、かけるエプロンにまで心を配りおいしい料理を作る...暮らしにだらけ心が出そうになった時、この本はそっと気を引き締めてくれます。少女の頃からこんな本をお手本に出来たなんて、当時の子供たちは幸せだったんだなぁと思います。
| 絵も文章も素晴らしい |
こんなお料理が台所から次々と運ばれてきたらどんなに楽しいだろう。お料理を作る人も楽しそうで、お料理を待つ人も嬉しそうで。そんな風景が目に浮かぶのが中原淳一さんの世界だ。本書を読んでいると「今晩のおかずの盛り付けを少し洒落てみようか」と思ってくる。いろいろなアイデアが頭に浮かんでくる。生活を作り出す女性本来のエネルギーが湧いてくる。お料理の本だが、ポジティヴな気持ちになれる本だ。
| 昭和の文化を再現! |
中原淳一の雑誌に掲載された料理を季節毎に纏めた本ですが
料理本としてではなく、イラストを見るだけでも充分に楽しめます。
また、昭和のレトロな雰囲気をそのままに残しながらも
とても読み易く作られているので、中原淳一のファンは勿論、
若年層から御年配の方にまで幅広い年齢層にお薦めの1冊です。
| スロウな味わい |
なんだろう、作ってみたくなる。
食べてみたくなる。
昭和20年代のレシピが、その当時少女たちの心を揺らしていた画家中原淳一の絵でつづられているのだが、古いとかレトロとかいうより、あ、こういうのもありかな、と思えるような世界だ。
わざとらしく、ふりがながついていなければ読めないような旧字を使ってあるのもいい。
『よろしいでしょう』とか、『お茶の会をいたしましょう』とか、言葉がとてもきれいな響きで、「幸せな食卓」というタイトルもとても新鮮に聞こえる。
絵も言葉も一つ一つが丁寧で大切に扱っているという気がする。
ケーキやサンドイッチが、何万画素とかいう画像でなく、絵なのもとてもいい。
メリケン粉をふるったパウンドケーキはきっと味わい深いものなのかも。
ところどころに著者の思いがちりばめられていて、それに対する意見はいろいろありそうだけど、あまり誰も言わなくなった根本的なことを言っている。
ピュアでスロウな味わいで、なんだかとっても浸ってしまえる本だ。
